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イノシシと里芋の事件勃発。ボタン鍋の味噌味のレシピ

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冷蔵庫からゴロリ。

 

出てきたのは里芋。 一瞬「ドキッ」としました。

 

泥の付いた真っ黒な里芋は、毛羽立っていて、まるで小さなイノシシが冷蔵庫から飛び出してきたと思ってしまったのです。

 

むっくり起きあがって動き出しそうな気配。

 

キッチンに緊張が走りました。

 

 

実は私は、たった今まで、ボタン鍋用のイノシシ肉を切り刻んでいました。イノシシ肉は、主人の実家のお父さんが、山の中にワナを仕掛けて捕獲した野生のもの。

 

そのせいか、脂身がなく真っ赤な色をして、まだ血がドクドク流れているかのようだったのです。

 

今にも血が吹き出しそうな肉を切りながら、この肉の塊が命を乗せて山の中を自由に走り回っていた様子を想像してしまいました。

 

このイノシシは一体、何を食べていたのだろう?


仲間はいたのだろうか?


家族は?


何歳くらいなんだろう?


そんなことを考え巡らしているうちに、何だか自分が罪深いことをしていることをしていると感じてしまいました。

 

それとともに襲ってきた恐怖。

 

まな板の上のイノシシの命が再びこの肉に乗り移ってしまうかもしれないという恐怖から逃げるようにさっさと作業を終えました。

 

自分の行い一切をまな板の汚れと一緒に排水溝に流し、気持ちを切り替えて冷蔵庫を開けた瞬間だったのです。

 

私に向かって飛び出してきた里芋。

 

手のひらの中の里芋の皮を包丁でむきながら、だんだんまるでイノシシの皮を剥いでいるかのような気分になってきました。

 

皮を剥いだ真っ白な里芋を、イノシシを切り刻んでいたまな板の上に乗せてみると、ゴロゴロとまな板にイノシシが転がっているような感覚になってきました。

 

つるんと滑る白い身は、包丁を当てると、コロリとまな板の上を転がって、「止めてくれ」と言っているよう。

 

申しわけないなような気持ちと一緒に、「あぁ、でも私はおなかを空かしている家族に食べさせなきゃいけない、私の仕事を全うせねば・・・」とキリキリ痛む心を鬼にして里芋を一個ずつ切っていったのでした。

 

ヌメヌメした里芋のぬめりをまな板に残して、輪切りに切った里芋を鍋に入れました。

昆布だしの入った鍋に、里芋、キノコ、白菜などを入れると、鍋の中はまるで山里。

 

里山がぎっしり詰め込んだ里山に、真っ赤なイノシシ肉を投入。

きっと、このイノシシは、捕獲された後も、またこのような里山を自由に元気に走り回るつもりでいたのでしょう。

 

イノシシを、山にそっと帰してあげたような気持ちになりました。

イノシシの真っ赤な肉はみるみる薄茶色になり、タンパク質の塊に変化しました。

鍋の中では里山のごちそうがぐつぐつ煮立っています。

 

物言わぬ里山の世界をじーっと眺めながら、私たちは、こうして日々、命を頂いて元気に生かされているんだとしみじみ思うのでした。

味噌と醤油で味付けした里山のごちそうたちを囲んで食卓へ。

主人と子どもは、今さっきまでキッチンで起きていた事件のことなど知らずに呑気に「フーフー」言いながら食べ漁っていました。

 

ボタン鍋の味噌味レシピ

水(1リットルくらい)

昆布 10センチくらい

味噌 大さじ3

酒 大さじ3

醤油 大さじ1

みりん 大さじ4

野菜とイノシシ肉はお好みで。

 

くれぐれも里芋とイノシシを見間違えのないように!

 

お題「誰にも信じてもらえない体験」